独自のAI社員を開発する方法

MIERU CREW 操作マニュアル — WebUI(Persona Studio)だけでペルソナ・スキル・コネクタの開発が完結

このマニュアルでできること

MIERU CREWコンソールの Persona Studio(AI社員開発)ページを使って、自社専用のAI社員をWebUIだけで開発する手順を説明します。gitリポジトリやコマンドライン操作は一切不要です。ページ右上の切替で3種類の開発対象を扱えます。

タブ作るもの公開先
ペルソナAI社員本体(人格・行動指針・能力宣言)Agent Storeに「自社製」として掲載 → 採用
スキル手順書(SKILL.md)+同梱スクリプトスキルカタログ → AI社員へ割当(Capabilities/同梱スキル)
コネクタ外部SaaSのREST API/外部MCPサーバの接続定義Connector Registry → コネクタ対応ペルソナが利用

いずれも流れは共通で「作成 → 編集 → 承認申請 → テナント管理者の承認 → 公開/登録」です。文書を自分で書かずにチャットで話すだけで作りたい(承認1回で稼働まで進めたい)場合は「4. オンボーディングAIで働かせる AI 社員を作る」を参照してください。

本マニュアルの操作にはMIERU CREWコンソールへのログインが必要です(アカウントの作成・ログイン方法は「1. アカウント登録とログイン」を参照)。
作成・編集できるのは Owner / Admin / Developer ロールです(他ロールは閲覧のみ)。公開承認は申請者と別のユーザーが行います(テナント内4-eyes)。

会話で作る(推奨)

文書を書かずに AI 社員を作りたい場合は、公式 AI 社員「オンボーディングAI」と会話する方法を先に試してください。ペルソナの選定・スキルやコネクタの選定・スケジュール・見た目・名前までを 1 つの計画にまとめ、管理者が 1 回承認すると稼働します。手順は「4. オンボーディングAIで働かせる AI 社員を作る」を参照してください。このページは、Persona Studio の画面で自分で文書を書いて開発したい方向けです。

2つの開発モード

新規作成時にモードを選びます(作成後の変更はできません)。どちらのモードで作ってもチャット(Command Inbox)と定期タスクの汎用ランタイムで動作します。

簡易モード(推奨)高度モード
書くものSOUL.md(人格・役割)+ SKILL.md(行動指針)左に加えて POLICY-*.md(業務ルール文書)を複数追加可能
能力設定能力プロファイル・コネクタ・外部通信先の宣言左に加えて公開スキルの同梱(版固定)を事前指定可能
向いている用途調査・文書作成・相談役など、チャット中心の汎用業務FAQ・監視ルールなど定型化された業務ルールを持たせたい業務AI

ペルソナの開発手順

1「Persona Studio」ページで新規作成する

サイドバーの Persona Studio(AI社員開発) を開き、画面右上の「+ 新規作成」を押します。名称(日本語可)・識別子(英小文字・数字・ハイフン 3〜24文字。後から変更不可)・開発モードを入力して作成すると、テンプレート入りの下書き(draft)が作られます。

2ファイルタブでペルソナ文書を書く

左がエディタ、右がMarkdownプレビューの分割画面です。ファイルごとに「保存」を押してください。

Persona Studio(分割プレビューエディタ)
⚠ 全文書の合成結果は8,000文字以内です(右上にカウンタ表示)。超過すると承認申請できません。デプロイ時には合成結果がMIERU CREW共通の応答契約・禁止事項でラップされてAI社員の指示書(AGENTS.md)になります。
3基本情報を入力する(スプライトのアップロード可)

基本情報タブで、概要(Agent Storeのカードに表示)・部署(Office View表示)・見た目(スプライト)を設定します。すべて承認申請の必須項目です。

スプライトはプリセットから選ぶほか、「画像をアップロード」から自社の画像を登録できます。

基本情報タブ(スプライトのアップロードと選択) Office View(アップロードしたスプライトで表示)
画像はスプライトアセットとして登録され、選択後「基本情報を保存」で下書きに反映されます。公開済みペルソナの見た目変更は「新バージョン作成」→承認の流れです(採用中のAI社員には承認時に自動反映)。
4能力・権限を宣言する

能力・権限タブで、このAI社員に許す実務能力を宣言します。宣言していない能力は実行時に拒否されます(fail-close)。

プロファイルできること
read_only(既定)ワークスペース内ファイルの閲覧のみ。承認はR2(通常承認)
web_researchサンドボックス内コマンド実行+宣言ドメインへのWebアクセス
connector_assist上記+コネクタ(Gmail / freee)の読み取り
connector_write上記+コネクタへの書き込み(常に承認制)
能力・権限タブ
5検証タブで確認する

検証タブに承認申請チェックリストが表示されます。✗(未入力・上限超過・指示上書き(プロンプトインジェクション)語彙の検出など)は申請をブロックします。⚠(危険コマンド語彙の言及など)は申請可能ですが、承認カードに表示され承認者の判断材料になります。

6承認申請 → テナント管理者が承認する

「承認申請」を押すと全社承認ボード(Office Viewの「承認待ち」カードから開けます)に公開承認カードが作成されます。読み取り専用のペルソナはR2(Owner / Admin / Operator / Approver が承認可能)、読み取り専用を超える能力を含むペルソナはR3(Owner / Admin / Approver のみ)です。申請者本人は承認できません

全社承認ボード(自社製ペルソナの公開承認カード)
承認待ちの間は編集できません。修正したい場合は「取下げ」で下書きに戻してください。却下・差戻しされた場合も下書きに戻り、修正して再申請できます。
7Agent Storeから採用する

承認されるとAgent Storeに「自社製」バッジ付きで掲載されます(提供元フィルタ「自社製(Persona Studio)」で絞り込めます)。採用手順は通常のペルソナと同じです(マニュアル「ペルソナを選んでから実際に動かすまで」参照)。

Agent Store(自社製バッジ付きで掲載)
公開承認がデプロイ時の権限昇格承認を兼ねます。能力昇格を含む自社製ペルソナでも、採用時の追加承認はありません(Storeカタログ由来のペルソナと異なる点です)。
8改版する(新バージョン作成)

公開後の内容変更は「新バージョン作成」から行います。現在の内容をコピーした下書き(v2, v3, …)が作られ、編集→承認申請→承認の流れは初版と同じです。

スキルの開発手順(スキルタブ)

スキルは、AI社員に追加できる手順書(SKILL.md)と同梱スクリプトのパッケージです。公開すると、通常のカタログスキルと同じようにCapabilitiesページやペルソナの同梱スキルから自社AI社員へ割当できます(版固定ベンダリング)。

1作成してSKILL.mdを書く

スキルタブの「+ 新規作成」で名称と識別子を入力します。SKILL.md先頭のfrontmatter(name / description)は自動検査の対象です。スクリプト(例: scripts/run.sh)は「+ファイル追加」で同梱できます。

スキル開発(SKILL.mdエディタ)
2設定タブでカテゴリと権限を明示する
3承認申請 → 承認 → 公開

申請時に自動セキュリティ検査が実行されます。危険パターン(curl|sh・Dockerソケット等)やバイナリ同梱は申請自体がブロックされ、注意項目(sudo・ネットワーク呼び出し等)は⚠警告として承認カードに表示されます(承認をもって確認済みとして記録)。指示のみのスキルはR2、スクリプト同梱・ツールprefix要求を含むスキルはR3承認です。

公開承認はスキルを「割当可能」にするだけです。AI社員への割当時にツール権限の昇格を伴う場合は、既存どおり割当時にも承認が入ります(二重の安全弁)。新バージョンを公開しても割当済みAI社員は版固定のまま動き続けるため、新版の反映はCapabilitiesページでの再割当(削除→追加)で行います。

コネクタの開発手順(コネクタタブ)

コネクタは、外部サービスへの接続を宣言的な定義(接続先・認証方式・ツール一覧)として登録するものです。プログラミングは不要で、登録後はコネクタ対応ペルソナ(connector_assist / connector_write)がmcporter経由で利用できます。新規作成時に種別を選びます(作成後は変更できません)。

種別対象ツールの決め方
REST API外部SaaSのREST API・社内APIベースURL・HTTPメソッド・パス・パラメータを手で宣言
MCPサーバ外部のMCPサーバ(SaaS公式MCP・自社で立てたMCP等。streamable HTTP)「ツールを取得」で一覧を取り込み、採用するツールを選んで read / write に分類
どちらの種別でも、AI社員が外部サービスへ直接接続することはありません。呼び出しは必ずConnector Gatewayを経由し、Kill Switch・能力宣言の照合・書き込み承認・監査ログが適用されます。MCPサーバの場合も同様で、AI社員から見える経路は他のコネクタと同じです。
1接続定義を書く(REST API)
コネクタ開発(接続定義エディタ)
1'接続定義を書く(MCPサーバ)
⚠ 分類を誤って書き込み系のツールを read にすると、承認なしで副作用のある操作が実行されます。承認者にも「分類は申請者の宣言」と表示されますので、申請者・承認者の双方でツールの説明を確認してください。迷った場合は write にしてください(承認制になるだけで、利用はできます)。
2承認申請 → 承認 → 登録

外部通信の新設のため常にR3承認です。承認カードには種別・接続先・認証方式・全ツールの一覧(MCPは採用ツールと read / write 分類)が表示されます。承認されるとConnector Registryへ登録され、Connector Settingsに表示されます。公開後の定義変更も同じ流れで再承認します(承認されるまで旧定義で稼働)。

3Connector Settingsで認証情報を設定する

サイドバーの Connectors で認証情報を設定します(いずれも暗号化vault保管。AI社員のサンドボックスには渡りません)。認証なしのAPIはこの手順は不要です。

Connector Settings(APIキー設定)
4ペルソナから利用する(書き込みは起票→承認→実行)

ペルソナの能力・権限タブで connector_assist(読み取り)または connector_write(書き込み・承認制)を選び、必要コネクタに登録したコネクタを指定します。

全社承認ボード(AI社員が起票した書き込み承認カード)
5MCPサーバの変更に追従する(ドリフト検出)

MCPサーバ側でツールの引数(スキーマ)が変わったり、ツールが削除されたりすることがあります。MIERU CREWは承認済みの定義とサーバの現在のツール一覧を突合し、差異(ドリフト)を検出します。

「不明」と表示される場合は、資格情報が未設定か、サーバへ接続できなかったため突合できていません。Connector Settingsの設定とサーバの稼働を確認して「ドリフト確認」を再実行してください(不明の間も実行は止まりません)。

できないこと(SaaSの制約)

困ったとき

症状対処
「この識別子は使用済みです」と表示される識別子はカタログ全体で一意です。別の識別子を指定してください
承認申請が「検証未通過: prompt_injection…」で失敗する文書内に指示上書きパターン(「以前の指示を無視」等)が含まれています。該当箇所を修正してください
承認申請が「検証未通過: manual_length…」で失敗する合成後8,000文字を超えています。文書を短縮するか、複数ペルソナに分割してください
「承認待ち」のまま進まない全社承認ボードで承認待ちです。申請者以外の管理者(R3はOwner / Admin / Approver)に承認を依頼してください
承認しようとすると「申請者と同一のユーザーは承認できません」テナント内4-eyes原則です。別のユーザーが承認してください
「申請後に内容が変更されています」と表示される申請時点と内容が異なるため承認できません。申請を取り下げて再申請してください
編集しようとしたが入力できない編集は下書き(draft)のみ可能です。公開済みは「新バージョン作成」、承認待ちは「取下げ」を使ってください
削除ボタンが押せない公開実績のあるペルソナ/割当中のスキル/登録済みコネクタは削除できません。「非公開化」(コネクタは無効化)で運用してください
スキルの承認申請が「security.dangerous_patterns_critical…」で失敗するスクリプトに危険パターン(リモートスクリプト実行・Dockerソケット等)が含まれています。該当箇所を修正してください
コネクタの検証で「base_url」「url」が✗になるベースURL / MCPサーバURLは https://+公開ドメインのみです。IPアドレス・社内ホスト名は使用できません
MCPコネクタの「ツールを取得」が「認証を拒否しました」で失敗する認証方式とキーを確認してください。公開前は「一時キー」欄に入力します(保存されません)。公開後はConnector Settingsで設定したキーが使われます
MCPコネクタの「ツールを取得」が「応答を解釈できません」で失敗する接続先がMCPの streamable HTTP エンドポイント(JSON-RPCをPOSTで受けるURL)か確認してください。stdio / SSE専用サーバ、通常のWebページURLは対象外です
MCPコネクタの候補に「採用不可」と出るツール名にドット等、MIERU CREW側で扱えない文字が含まれています。サーバ側のツール名を変更するか、そのツールは採用せずに進めてください
MCPコネクタの承認申請が「read/writeの分類が未設定」で失敗する採用ツールごとに read / write を選択してください(MCPには副作用の区別が無いため申請者の宣言が必要です)
AI社員のMCPツール実行が「ドリフト検出・fail-close」で失敗するMCPサーバ側でそのツールの引数スキーマが変わったか、ツールが削除されています。Persona Studioのコネクタで「上流に合わせて再取り込み」→保存→承認申請を行い、再承認を受けてください
コネクタ実行が「APIキーが未設定です」で失敗するConnector Settingsで「APIキー設定」を行ってください(Owner / Admin / Developerロール)
割り当てた自社スキルの新版がAI社員に反映されない割当は版固定です。Capabilitiesページでスキルを削除→再追加すると新版が適用されます
スプライトのアップロードが「PNG形式のみ」「正方形の画像のみ」で失敗するPNG・正方形(32〜256px)・1フレーム300KB以下のみ対応です。JPEGはPNGへ変換してください
アップロードしたスプライトの動きが状態によって変わらないアップロードしていない状態は待機(idle)画像で表示されます。状態ごとの画像は任意で追加できます(全17種)

スプライト(見た目)をAIで生成する

ペルソナ編集画面の「見た目(スプライト)」セクションでは、PNGアップロードに加えてAI生成が使えます。「AIでスプライトを生成」を開き、お客様自身のPixelLab APIトークンpixellab.aiで取得)を設定してください。

設定フォームの定義(設定項目を持つAI社員にする)

「能力・権限」タブの設定フォームセクションで、採用後にAgent Detailから変更できる専用の設定項目を定義できます(例: レポート送信時刻、対象範囲、自動実行のON/OFF)。